お見送りのあと、「具体性が足りなかった」「話がふわっとしていた」「強みが分からなかった」と返ってくることがあります。求職者面談でも、このフィードバックで止まる人は少なくありません。
困るのは、「具体的って、どこまで言えばいいのか」が分かりにくいことです。数字を増やせばいいのか。エピソードを長くすればいいのか。実は、どちらも的を外しやすいです。
この記事では、具体性がないと言われたときの直し方を整理します。Surfieeではエピソードの型を START と呼んでいます(状況・課題・行動・結果・学び)。型の基本は別記事の一次面接でCanが伝わらないとき|STARTで厚くするへ。ここでは「フィードバックの読み方」と「尖らせ方」に絞ります。
「具体性」は単語の細かさではない。面接官が短時間で知りたいこと——強みは何か、なぜそう言えるか、どう貢献しそうか——に、尖った一本で答えられているか。羅列と端的すぎの両方を避け、STARTで映像が浮かぶ粒度まで落とす。
面接官が見ている「具体」とは何か
限られた時間で面接官が知りたいのは、だいたい次です。
- この人の強みは何か
- なぜそう言えるのか(根拠になる経験)
- 入社後、どう貢献しそうか
ここにまっすぐ届いていないと、「具体性がない」「分かりにくい」になりやすいです。逆に、専門用語や数字だけが増えても、この3つがぼやけていれば同じ評価になります。
これは面接だけの話ではありません。上司への報告や社内説明でも、「相手が知りたい問いに答えているか」がずれると、分かりにくいと言われます。まず相手の問いをシャープに掴む——ここが入口です。
「具体性がない」の中身を分解する
フィードバックは一語でも、中身は分かれます。
| よくある中身 | 起きていること | 直しの方向 |
|---|---|---|
| 強みが分からない | 強みをいくつも並べた/当たり前のスタンスだけ | 1つ(多くて2つ)に尖らせる |
| ふわっとしている | 状況・課題・行動が混線している | STARTで縦に一本通す |
| 話が分かりにくい | 映像が浮かぶ材料が足りない | 役割・環境・一手を見える粒度にする |
| 深掘りしないと分からない | 核が後出し/短すぎて補足待ち | 最初の回答で核+根拠まで出す |
「もっと具体的に」は、単なる長話の依頼ではありません。知りたい核に、早く届いてほしいというサインであることが多いです。
強みは横に並べず、縦に深く
自己PRでよくあるズレは、強みの羅列です。コミュニケーション力、巻き込み力、行動力——言えることは増えますが、一つひとつが薄くなります。
基本は次です。
- 伝える強みは 1つ(どうしてもなら2つまで)
- その強みを一番よく表すエピソードを 1本 選ぶ
- まず縦に深く話す。「他にもありますか」と言われてから横に広げる
最初からエピソードを2本3本並べると、どれも浅くなりやすいです。深掘りで「もう一事例」を求められたときに、同じ型でもう一本出せれば十分です。
STARTのどこが薄くなりやすいか
型に沿っていても、中身が抽象だと「具体性がない」に戻ります。
- Situation(状況): 事業や現場の空気、組織の規模感、自分の役割、ミッション。面接官の頭に映像が浮かぶまで
- Task(課題): 何が問題だったか。なぜ今のやり方では足りないのか
- Action(行動): 「いろいろやりました」の列挙より、課題に効いた一手を中心に
- Result(結果): 定量があると伝わりやすい。ただし数字がないと語れない、ではない。提案の変化や周囲の反応でもよい
- Takeaway(学び): 次の職場でも再現できる一文
行動を盛りだくさんにすると、かえって強みが散ります。自慢の総集編より、一本の因果の方が具体に聞こえます。
短すぎも、長すぎもズレる
Q&Aで一文だけ返して終わる人もいます。正確ではあっても、面接官が補足を何度も聞くことになり、限られた時間を消費します。面接は「聞いてもらう場」でもあるので、核が伝わる分量のエピソード整形は必要です。
一方で、聞かれていない周辺まで話し続けるのも逆効果です。目安は次です。
- 聞かれた問いに、先に一文で答える
- 続けて、根拠になるSTARTを短く添える
- 詳細は深掘りに任せる余白を残す
バランスの基準は「自分の話したい量」ではなく、相手が知りたい核が、最短距離で届いているかです。
転職理由・志望動機でも同じ
具体性が問われるのは自己PRだけではありません。転職理由や志望動機でも、抽象語だけだと同じフィードバックが付きます。「成長したい」「裁量がある」だけでは、相手の知りたい核に届きにくいです。
- 何が足りなかった/何を次で揃えたいか(事実)
- なぜその会社・職種なのか(接続)
- 入社後にどう活きそうか(貢献の仮説)
ここでも、羅列より一本の筋が効きます。
仕上げの3チェック
話す前に確認
- 強みは一発で言えるか(余計な並列がないか)
- 「なるほど」があるか(課題→一手→結果の因果があるか)
- 退屈でないか(映像が浮かぶ材料があるか)
面白い話である必要はありません。ただし、聞き手が場面を想像できない説明は、具体に聞こえにくいです。
まとめ
- 「具体性がない」は、単語不足より 相手の問いに届いていない サインが多い
- 強みは1つに尖らせ、エピソードは縦に深く
- STARTの各要素を、映像が浮かぶ粒度まで落とす
- 端的すぎと冗長さの両方を避け、核→根拠の順で出す
- 自己PR以外の転職理由・志望動機にも同じ型を使う
一条の正解の長さはありません。フィードバックが付いたら、まず「強みが散っていないか/核が後出しか」を疑うと、直しやすいです。
Surfieeの面接対策では、正解トークを暗記させません。お見送り理由やモヤモヤした自己PRを材料に、強みの尖りとSTARTの粒度を一緒に整えます。転職を急かす相談ではありません。
「具体性がない」で止まっている方へ
お見送り理由や自己PRを材料に、強みの尖りとSTARTの粒度を一緒に整えます。正解トークの暗記ではなく、あなたの経験から伝わる一本をつくります。