お見送りのあと、「具体性が足りなかった」「話がふわっとしていた」「強みが分からなかった」と返ってくることがあります。求職者面談でも、このフィードバックで止まる人は少なくありません。

困るのは、「具体的って、どこまで言えばいいのか」が分かりにくいことです。数字を増やせばいいのか。エピソードを長くすればいいのか。実は、どちらも的を外しやすいです。

この記事では、具体性がないと言われたときの直し方を整理します。Surfieeではエピソードの型を START と呼んでいます(状況・課題・行動・結果・学び)。型の基本は別記事の一次面接でCanが伝わらないとき|STARTで厚くするへ。ここでは「フィードバックの読み方」と「尖らせ方」に絞ります。

焦点

「具体性」は単語の細かさではない。面接官が短時間で知りたいこと——強みは何か、なぜそう言えるか、どう貢献しそうか——に、尖った一本で答えられているか。羅列と端的すぎの両方を避け、STARTで映像が浮かぶ粒度まで落とす。

面接官が見ている「具体」とは何か

限られた時間で面接官が知りたいのは、だいたい次です。

  1. この人の強みは何か
  2. なぜそう言えるのか(根拠になる経験)
  3. 入社後、どう貢献しそうか

ここにまっすぐ届いていないと、「具体性がない」「分かりにくい」になりやすいです。逆に、専門用語や数字だけが増えても、この3つがぼやけていれば同じ評価になります。

これは面接だけの話ではありません。上司への報告や社内説明でも、「相手が知りたい問いに答えているか」がずれると、分かりにくいと言われます。まず相手の問いをシャープに掴む——ここが入口です。

「具体性がない」の中身を分解する

フィードバックは一語でも、中身は分かれます。

よくある中身起きていること直しの方向
強みが分からない強みをいくつも並べた/当たり前のスタンスだけ1つ(多くて2つ)に尖らせる
ふわっとしている状況・課題・行動が混線しているSTARTで縦に一本通す
話が分かりにくい映像が浮かぶ材料が足りない役割・環境・一手を見える粒度にする
深掘りしないと分からない核が後出し/短すぎて補足待ち最初の回答で核+根拠まで出す

「もっと具体的に」は、単なる長話の依頼ではありません。知りたい核に、早く届いてほしいというサインであることが多いです。

強みは横に並べず、縦に深く

自己PRでよくあるズレは、強みの羅列です。コミュニケーション力、巻き込み力、行動力——言えることは増えますが、一つひとつが薄くなります。

基本は次です。

最初からエピソードを2本3本並べると、どれも浅くなりやすいです。深掘りで「もう一事例」を求められたときに、同じ型でもう一本出せれば十分です。

STARTのどこが薄くなりやすいか

型に沿っていても、中身が抽象だと「具体性がない」に戻ります。

行動を盛りだくさんにすると、かえって強みが散ります。自慢の総集編より、一本の因果の方が具体に聞こえます。

短すぎも、長すぎもズレる

Q&Aで一文だけ返して終わる人もいます。正確ではあっても、面接官が補足を何度も聞くことになり、限られた時間を消費します。面接は「聞いてもらう場」でもあるので、核が伝わる分量のエピソード整形は必要です。

一方で、聞かれていない周辺まで話し続けるのも逆効果です。目安は次です。

バランスの基準は「自分の話したい量」ではなく、相手が知りたい核が、最短距離で届いているかです。

転職理由・志望動機でも同じ

具体性が問われるのは自己PRだけではありません。転職理由や志望動機でも、抽象語だけだと同じフィードバックが付きます。「成長したい」「裁量がある」だけでは、相手の知りたい核に届きにくいです。

ここでも、羅列より一本の筋が効きます。

仕上げの3チェック

話す前に確認

面白い話である必要はありません。ただし、聞き手が場面を想像できない説明は、具体に聞こえにくいです。

まとめ

一条の正解の長さはありません。フィードバックが付いたら、まず「強みが散っていないか/核が後出しか」を疑うと、直しやすいです。

Surfieeの面接対策では、正解トークを暗記させません。お見送り理由やモヤモヤした自己PRを材料に、強みの尖りとSTARTの粒度を一緒に整えます。転職を急かす相談ではありません。

「具体性がない」で止まっている方へ

お見送り理由や自己PRを材料に、強みの尖りとSTARTの粒度を一緒に整えます。正解トークの暗記ではなく、あなたの経験から伝わる一本をつくります。

著者

元由 直樹

合同会社Surfiee 代表。キーエンス・リクルート出身。リクルートにて最終面接官を経験後、海外MBA取得を経て起業。272名のキャリア支援、ストアカ満足度4.87★、OpenWork優良エージェント上位2%認定。強みの言語化・キャリア棚卸しを専門とする転職エージェント。