「登録したけど全然使えなかった」「大量に求人を送られて疲弊した」「担当者が話を聞いてくれない」——転職エージェントへの不満はネット上にあふれています。

ただし、問題の多くは「エージェント自体」ではなく「エージェントの選び方と使い方」にあります。私はリクルートでエージェント業務を経験し、その後Surfieeを創業して272名のキャリア支援を行ってきました。エージェントの内側を知る立場として、失敗パターンとその見極め方を正直にお伝えします。

失敗する7つのパターン

失敗パターン 01

「とりあえず大手に登録すればいい」で選んだ

大手エージェントの求人数は確かに多いですが、担当者1人が抱える候補者数も多い(多い場合は100〜200名)。あなたに割ける時間は限られ、大量の求人メールが届くだけになりがちです。「求人数が多い=自分に合う求人が多い」ではありません。

見極め方

最初の面談で担当者が「あなたの転職の目的・優先順位・NG条件」を丁寧にヒアリングしてくれるかどうかを確認する。ヒアリングなしにすぐ求人を出してくるエージェントは要注意。

失敗パターン 02

担当者の質を確認せずに進めてしまった

同じエージェント会社でも担当者によってサービスの質は天と地ほど違います。経験の浅い担当者に当たると、的外れな求人の紹介・表面的なアドバイス・連絡が取れないといった事態が起きます。会社のブランドではなく「誰が担当するか」が重要です。

見極め方

登録前に担当者のプロフィール・経歴・専門領域が公開されているかを確認する。「担当者を指定できるか」も事前に問い合わせてみる。

失敗パターン 03

20〜30社への大量応募を勧められ、疲弊した

「まず数を打ちましょう」と言われて20〜30社に同時応募した結果、書類作成・面接準備が追いつかず、すべての選考が中途半端になるパターンです。エージェント側は内定数を増やすために応募数を増やしたいインセンティブがありますが、あなたにとってのベストは自分に合う企業に集中することです。

見極め方

「なぜこの求人を紹介するのか」を必ず聞く。具体的な理由が返ってくれば信頼できる。「とりあえず受けてみては」という説明なら応募を保留にする。

失敗パターン 04

「転職ありき」で進められ、本当の選択肢を見失った

転職エージェントは転職が決まることで初めて報酬を得ます。そのため「転職しない方がいい」「今は時期が悪い」という結論を正直に伝えてくれるエージェントは少数派です。20代の場合、部署異動・スキルアップ・副業が最善のケースも多く、転職前提で進めることで本来の目的を見失うことがあります。

見極め方

最初の相談で「転職以外の選択肢も一緒に考えてもらえますか」と伝えてみる。フラットに答えてくれるかどうかがエージェントの誠実さを測るリトマス試験紙。

失敗パターン 05

年収・条件だけで求人を選び、入社後に後悔した

「年収50万アップ」「リモートワーク可」といった条件面に引かれて転職したものの、仕事の内容・チームの雰囲気・成長環境が合わず短期間で離職——という相談を多く受けます。条件面の改善は必要ですが、「その環境で何を経験できるか」「誰と働くか」が中長期的な満足度を決めます。

見極め方

担当者が「入社後のキャリア・働き方・チーム環境」まで情報を提供してくれるかを確認する。条件面の説明しかないエージェントは業務理解が浅い可能性がある。

失敗パターン 06

登録だけして、エージェントとの関係が薄くなった

複数のエージェントに同時登録した結果、誰とも深い関係を築けず、好条件の非公開求人を紹介してもらえなくなるパターンです。エージェントも「本気度の高い候補者」に優先的に時間をかけます。登録してレスポンスが遅い・面談後に音信不通、という状態では良い求人が回ってきません。

見極め方

信頼できる担当者を1人決めて、その人をメインに動く。返信・日程調整は24時間以内を心がけ、「この人は本気だ」という印象を担当者に持ってもらう。

失敗パターン 07

自分の強みを整理しないまま相談し、的外れな求人ばかり紹介された

「とにかく転職したい」という状態でエージェントに相談しても、担当者は「あなたが何者で、どこに向かいたいか」を把握できません。結果として、スキルや希望に合わない求人を大量に紹介され、消耗するだけで終わります。エージェントを最大限に活用するには、自分の棚卸しを先に行うことが前提です。

見極め方

相談前に「職務経歴の棚卸し・転職の目的・譲れない条件」の3つを整理してから面談に臨む。担当者への情報の質が上がると、紹介される求人の質も上がる。

失敗を避けるための「最初の面談チェックリスト」

エージェントとの最初の面談は、エージェントがあなたを評価する場であると同時に、あなたがエージェントを評価する場でもあります。次のチェックポイントで担当者・エージェントの質を見極めてください。

最初の面談で確認すべき7項目

合わないと感じたらどうするか

担当者が合わないと感じた場合、次の3つの選択肢があります。

選択肢 1

担当者の変更を申し出る

大手エージェントでは担当者の変更を受け付けているケースがあります。「別の担当者に変えていただけますか」と率直に伝えて問題ありません。転職活動は長期にわたるため、合わない担当者とズルズル進める方がリスクが高いです。

選択肢 2

別のエージェントに乗り換える

複数のエージェントに登録することは一般的です。合わないと感じたエージェントは使用をやめ、より相性の良い担当者がいるエージェントに集中することを勧めます。「断りにくい」と感じる必要はありません。

選択肢 3

直接応募と並行して進める

エージェント一択にする必要はありません。気になるスタートアップや特定の企業への直接応募と並行することで、エージェントが持っていない求人にアクセスできます。エージェントを「複数の手段のひとつ」として位置づけることが健全な姿勢です。

よくある質問(FAQ)

Q. エージェントに登録したら断れない雰囲気がありますが、実際は?
登録後いつでも退会・利用停止できます。エージェントへの断りは担当者へのメール1通で完了します。「紹介された求人に全部応募しなければならない」「いったん登録したら続けなければならない」というルールはありません。合わないと感じたら遠慮なく別のエージェントに切り替えてください。
Q. エージェントを使わず自分で転職した方がいいケースはありますか?
あります。志望企業が明確で採用ページに直接応募できる場合、スタートアップで「エージェント紹介料を節約したい」という企業の場合、LinkedInなどで直接スカウトを受けた場合などは直接応募が有効です。エージェント経由だと紹介料(年収の30〜35%)が発生するため、企業側がエージェント不要を好むケースもあります。
Q. 「非公開求人」は本当に良い求人が多いですか?
非公開求人にも良し悪しがあります。非公開の理由は主に「急募案件」「競合に知られたくない幹部求人」「条件が特殊で広く募集しにくい案件」などです。「非公開だから良い求人」とは限らず、自分のニーズとの一致で判断することが重要です。担当者から提示された際は「なぜ非公開なのか」を確認しましょう。

まとめ

転職エージェントは使い方次第で「最高の味方」にも「時間を浪費する相手」にもなります。失敗のほとんどは選び方と最初の使い方で防げます。

この記事のまとめ

Surfieeでは代表の元由直樹が直接担当します。「まず話を聞いてほしい」「今のエージェントが合わなかった」という方のご相談も歓迎しています。

著者

元由 直樹

合同会社Surfiee 代表。キーエンス・リクルート出身。リクルートにて最終面接官・エージェント業務を経験後、MBA取得を経て起業。272名のキャリア支援、ストアカ満足度4.87★、OpenWork優良エージェント上位2%認定。エージェント業界の内側を知る立場から、若手のキャリア支援を行う。